第7章◎駐車違反を徹底的に取り締まれ

街を歩くと、クルマの路上駐車が実に多いことが分かります。
国道や県道のほとんどの部分は「駐車禁止」に指定されているはずですが、路肩に1台の駐車もない道路など、少なくとも都市部ではお目にかかったことがありません。荷物の積み下ろしや人の乗降のために停まっていることはあるでしょうが(これらは駐車ではなく「停車」)、長い時間、クルマを置きっぱなしにする輩も少なくありません。迷惑をかけているとか、そもそも「違法行為」であることすら自覚していないのでしょう。

「違法駐車」が都市機能に多くの悪影響を及ぼしていることは、以前から指摘されてきました。よく言われるのが、交通渋滞の原因になっていることです。一般車両はもちろん、消防車や救急車など、緊急車両の走行にも支障をきたしています。確か、阪神・淡路大震災の際にもこれが問題になったと記憶していますが、こうなると、違法駐車は「迷惑」のレベルを通り越し、人の命にかかわる“殺人的行為”と言っても過言ではありません。

経済の観点からも許し難いものがあります。違法駐車が引き起こす交通渋滞は「マイナスの経済効果」を及ぼすからです。これについての指摘がほとんど聞こえて来ないのは何故なのでしょう? 非常に不思議です。違法駐車と景気に関連があるとは、想像もつかないのでしょうか。でも、仮に通常なら通過に5分とかからない距離が、違法駐車による渋滞にはまって30分も通過に要したとしたら……?
商談の機会を逃すかもしれないし、渋滞中はエンジンをかけっ放しですから(つまりガソリンを消費している)、コストにも跳ね返ってきます。ドライバーの疲労もたまり、仕事の効率が低下するかもしれません。25分の差は大きいのです。まさに「時は金なり」です。

人材不足には警察OBの活用を

このように、経済の観点から言っても、違法駐車は撲滅しなければなりません。退蔵金と同じ「経済の血瘤」です。駐車違反はどんどん取り締まってもらいたいと思います。
取り締まりの人手が足りない? それなら警察OBを投入すればよろしい! 定年を延長しようという動きが出ている時代です。少なくとも、65歳までのOBなら取り締まり業務は支障なく遂行できるでしょうし、何よりも「新たな雇用」が創出できます。

また、取り締まりが厳しくなると、ドライバーは専用の駐車スペースに駐めざるを得なくなりますから、必然的に駐車場が足りなくなり、駐車場の需要は一気に高まります。そうなると、駐車場に使える土地価格が上昇するでしょうし、全国各地の都市部で駐車場ビルの建設が始まるでしょう。不況に喘いでいた建設業界は、これで活気づくはずです。

このように、路上駐車禁止の厳格化は、交通渋滞の解消とともに、計り知れない経済効果をもたらす絶好の施策です。すぐにでも実現してほしいと思います。

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